西穂独標: 憧れの穂高連峰の一峰、展望の岩峰へ

▲西穂独標からの展望。ピラミッドピーク、西穂本峰、奥穂へと続く岩稜

 西穂高岳は険しい岩稜で知られる穂高連峰の南西に位置し、そのいちばん末端にある岩峰が西穂独標。標高2701mの山頂からは笠ヶ岳をはじめ、荒々しい岩峰の穂高連峰、活火山の焼岳などすばらしい展望が楽しめる。ロープウェイで2156mまで上がれるので、体力的な負担が少ないコースである。コース上には可憐な高山植物も多く咲き、森林限界を超えた清々しい空気も楽しめる。独標頂上付近の岩場は緊張感をもって挑みたい。

 西穂高口から千石園地を抜け、アップダウンを繰り返して進む。大きく下った鞍部から急坂を登り、笠ヶ岳を望むようになると西穂山荘に出る。

 大岩の間を縫うように登り、森林限界を超えると穂高主稜線が目に飛び込んでくる。西穂丸山を過ぎ、広い尾根をジグザグに登っていく。やがてヤセ尾根となり、飛騨側に回り込み岩稜に入っていく。目の前に西穂独標が現われ、クサリもかかる岩山を三点支持で越え山頂へ。雄大なパノラマを楽しみ往路を戻ろう。

写真・文/渡辺幸雄
立ち寄りスポット
西穂ラーメン
西穂山荘は西穂登山の際、トイレ休憩などで必ず立ち寄る山小屋である。レストハウス2365は外来者向けの食堂・喫茶で売店も併設。人気メニューに西穂ラーメン(醤油と味噌・各900円)があり、登山で疲れた体を癒してくれる。
☎0263-95-2506(西穂山荘)
新穂高ロープウェイ INFORMATION
運行期間 通年
料金 往復=大人2900円・子ども1450円、片道=大人1600円・子ども800円
(第1・第2ロープウェイ通しの料金)
山麓駅 標高1117m(新穂高温泉駅)
山頂駅 標高2156m(西穂高口駅)
高度差 高度差 1039m 全長 3171m
所要時間 第1・第2計約25分
定員  第1=45人、第2=121人
アクセス <松本方面から>JR中央本線松本駅→アルピコ交通バス・濃飛バス約2時間(2880円)※→新穂高ロープウェイ
<高山方面から>JR高山本線高山駅→濃飛バス約1時間40分(2160円)→新穂高ロープウェイ
※夏期のみ運行、期間外は高山行きバスで平湯乗り換え
アルピコ交通バス松本バスターミナル/TEL 0263-32-0910、濃飛バス/TEL 0577-32-1688
マイカー 長野道松本ICから国道158号・471号、県道475号経由で約67㎞、約1時間半。第2ロープウェイ駅がある鍋平高原に登山者用駐車場(一部有料)がある。
問い合わせ 新穂高ロープウェイ
TEL 0578-89-2252
コースタイム

適期:7月中旬~9月下旬
歩行計4時間45分=山頂駅(1時間30分)西穂山荘(15分)丸山(1時間)西穂独標(50分)丸山(10分)西穂山荘(1時間)山頂駅

アドバイス

ロープウェイで上がれても険しい穂高連峰の一角で、決して油断して臨まないこと。森林限界を超えるので、防風や防寒対策などしっかりした装備は必携。夏山の午後には雷の危険もあり、早めの出発を心がけたい。

運行カレンダー
  8:00~17:15(下り最終17:15)
  8:00~16:45(下り最終16:45)
  8:00~17:15(下り最終17:15)
  8:30~16:45(下り最終16:45)
※7/15~10/15の土・日・祝日とお盆期間中(8/11~15)は第2ロープウェイの登山早朝特別便(しらかば平駅7時始発、8月のみ6時始発)を運行予定。
6/20~7/5まで第2ロープウェイはメンテナンスによる運休。第1ロープウェイは通常運行。