位山は、飛騨のほぼ中央に位置する。乗鞍岳から延びる位山分水嶺が、北は日本海側へ、南は太平洋側へ流れを分ける。
　古くから名山と謳われ、多くの伝説をもつ歴史の山でもあり、特に天孫降臨、天ノ岩戸伝説、巨石文化の遺跡がある山として知られている。昔、朝廷へ献上する御笏の材料とした、イチイの産地としても名高く、植生も豊かだ。
　戦前からスキー登山が盛んだったが、現在では中腹の刈安峠近くにスキー場が造られ、スポーツ、レジャーで広く親しまれている。
　登山道は、刈安峠からの尾根コース、刈安林道蔵柱口、ダナ林道無数河（むすごう）口などがある。山頂へはスキー場からの尾根コースで約2時間。他の林道を車で入れば大幅に短縮できる。山頂からは、御岳山と乗鞍岳が眼前に対峙し、北アルプスや白山の遠望もすばらしい。