行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
この時期は別当出合へは車で入れないため、市ノ瀬の駐車場に車を停めて徒歩で林道を歩く。夏時期は駐車場も混むが、残雪期は余裕がある。トイレあり。
この登山記録の行程
市ノ瀬(05:55)・・・<林道>・・・別当出合(07:22)・・・中飯場(08:05)・・・甚之助避難小屋(09:23)・・・黒ボコ岩(10:34)・・・室堂(11:01)(昼食~11:27)・・・御前峰(12:17)・・・室堂(13:05)・・・黒ボコ岩・・・甚之助避難小屋(14:06)・・・中飯場・・・別当出合(15:25)・・・<林道>・・・市ノ瀬(16:29)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
GWの後半、様々な角度(山)から白山を眺めてきた。新緑に包まれた山々の向こうに、純白の白山が輝いている。圧倒的な存在感だ。
今日は、ついにその本丸、白山へと攻め込む。
この時期はまだ交通制限があり、別当出合へは入れない。市ノ瀬に車を停めて、長い林道をひたすら徒歩で進む。
別当出合に到着すると雪の壁が出来上がっていた。
除雪で固めたものだと思うが、休憩所がすっぽり雪に埋まっている。
今年はとりわけ雪が多かったということか。GWにここまでの風景は見た記憶がなかった。珍しいので、休憩所の屋根の上を歩いてみる。滑りやすいトタンで転びそうになった。ふざけすぎてこんなところで怪我をしたら目も当てられない。
正面の大きな鳥居。一礼をしてくぐる。
白山名物の吊橋を渡って、いよいよ登山開始。
ちなみに、白山愛好家のこの時期共通の話題は「別当出合までの道路状況」とこの吊橋の「板」。冬季期間中は全ての板が撤去されてしまうので、鉄骨むき出しの実にスリルある橋が出来上がる。歩いて渡れないことは無いが、遥か下の川底が見えてお尻がスース―すること間違いなしだ。この板も数日前に入ったとの情報があった。有難い。
登り始めて直ぐに地面よりも雪の方が多くなった。中飯場に着く頃にはすっかり雪の世界。新緑の中の雪にテンションが上がる。
中飯場からは斜度が一段増して、登山らしくなってくる。蛇行しながら登っていく夏道も、残雪期ではとにかく高いところを目指して直登していく。自由に斜面に向き合う雪山の登り方が大好きだ。
途中でアイゼンを装着して、加速して登っていく。固い雪面に刺さる歯の音が心地よい。
甚之助避難小屋で休憩を入れて、次は黒ボコ岩を目指す。ここも直登の連続。コースの中でも一番斜度が強い箇所になるので、滑落しないように慎重に進む。途中で、エコーライン側から登るという仲間と二手に分かれる。
反り返るような斜面にピッケルを突き刺して、足場を固めてから振り返る。高度も2,000m近くなり、見晴らしがいい。下から何人もの登山者が続いてきている。まるで豆粒のよう。
黒ゴコ岩に到着。
ここから眺める別山がいっとう好きだが、ゼブラ状に雪を纏う別山は、いつも以上に精悍に見えた。
雪原になった弥陀ヶ原を歩いていると、エコーライン側に周った仲間が後ろから追いついてきた。雪原の弥陀ヶ原は自由に歩き放題。どうせなら普段歩けないコースを取ろうと、最後の樹林帯の斜面を右側からまくように登り室堂へ。
登り切るとすっぽりと雪に埋まった室堂が出迎えてくれた。GWの風物。宿舎の方は赤い屋根だけ見えている。
お腹が空いたので、登頂前に昼食をとることにする。
室堂のベンチに腰を下ろしてお湯を沸かす。目の前には、雪に埋まっていつもの半分の高さになった神社の鳥居。その奥に山頂の御前峰が聳えている。その頂の上を雲が悠々と流れていく。この時期、この空間に身を置けるだけでこの上なく幸せだと思う。どんな娯楽よりも贅沢で豊かな時間の過ごし方だと思う。
ここから先は岩肌が見えていたのでアイゼンを外して登る。頂まで約30分。綺麗に整備された岩階段の登山道。逆にこれがしんどくて息が切れる。
振り返ると、眼下にはミニチュアのような室堂の赤い屋根。その奥に別山が聳えている。この風景を見ると、白山に帰ってきたと思う。
山頂にある白山比咩神社の奥宮にお参りをしてから頂きに立つ。
乗鞍岳や御嶽山が遠くに見えた。どこまでも広がる山々。頬を撫でる優しい風。山をやっていて良かったと感じる瞬間だ。
追記。
山頂で出会った方に写真を撮ってあげた時のこと。2枚目は角度を変えて撮ってあげようと、移動した際に足を踏み外して岩の上に転げ落ちてしまった。カメラを壊さないようにと意識的に胸に抱えて落下したため、受け身が取れずしこたまお尻を強打した。腰でなくてよかったが、数日痛みが取れず真っ黒な内出血はいまだ残っている。山では気を抜いてはいけないという教訓だった。
このGW。目指せ100kmの勢いで歩いていたが、若干、及ばず。でも、思いっきり新緑を!残雪を!そして山そのものを、良き仲間と共に楽しんだバケーションだった。良き哉。