• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

登山中級者が行く はじめての富士山

富士山 宝永山( 関東)

パーティ: 1人 (犬山好人 さん )

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

1日目晴れのちくもり 2日目 晴れ

利用した登山口

富士宮口五合目  

登山口へのアクセス

バス
その他: 富士吉田の宿は開山期間・夏休み中どこもハイシーズン設定なので、甲府のビジネスホテルで前夜泊。
甲府駅5:50発富士山駅行きの始発バスに乗る。

この登山記録の行程

【1日目】
富士山駅(07:35)・・・富士浅間神社(08:00)・・・中ノ茶屋(09:07)・・・大石茶屋跡(09:52)・・・馬返(10:10)[休憩 10分]・・・二合目(10:58)・・・佐藤小屋(12:28)・・・六合目(13:05)[休憩 10分]・・・七合目(14:01)

【2日目】
七合目(03:00)・・・八合目(04:34)[休憩 32分]・・・本八合目(05:27)・・・九合目(06:03)・・・須走口・吉田口頂上(06:27)[休憩 5分]・・・剣ヶ峰(07:13)[休憩 3分]・・・富士宮口頂上(07:34)・・・御殿場口頂上・・・須走口・吉田口頂上(07:55)・・・御殿場口頂上(08:20)・・・七合九勺(09:01)・・・七合五勺(09:21)・・・七合目(09:29)・・・走り六合(09:51)・・・宝永山(10:04)[休憩 15分]・・・第二火口縁(11:02)・・・富士宮口五合目(11:31)

コース

総距離
約29.5km
累積標高差
上り約3,373m
下り約1,791m
コースタイム
標準17時間32
自己13時間42
倍率0.78

高低図

標準タイム比較グラフ

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

 「混雑と単調さ」ゆえに富士登山を敬遠する者は少なくない。かくいう私もそのひとりだった。せっかく登山をやってきたのだから一度は登っておくべきだろう、と今回チャレンジすることに。北口浅間神社から吉田登山道を七合目で宿泊、剣ヶ峰・宝永山を経て富士宮口五合目へ下山する欲張りな計画である。

[吉田口登山道]
 北口本宮冨士浅間神社にお参りし安全登山を願う。(冨士の字はワカンムリ)ここから吉田口登山道が始まり、六合目でスバルラインからのルートと合流するまで約5時間の静かな山歩きである。かつて富士講の人々がたどった道は思ったより緩やか、これすなわち富士山の大きさを物語っている。一合目手前の馬返し(ここまで季節運航のバス便あり)から本格的な登りにかかる。かつては各合目毎に山小屋があったのだろう、樹々の合間から眺望の得られる所もある。五合目佐藤小屋からすぐの六合目星観荘でソフトクリームを注文して小休止。六角堂の建つ経ヶ岳から15分程でスバルラインルートと合流する。ここで入山協力金を納め、登山者の列に加わる。富士山がほかの山と違うのは国際色だろうか。都心か観光地かと錯覚しそうな多言語が飛び交い、その背後は荒涼たる富士の山肌なのだ。この日宿泊した七合目トモエ館(2740m)は全室個室で、一人用でも充分な広さとカーテン、照明、コンセント、ハンガーが用意されている。ただしネット予約開始日には夏休み期間がほぼ埋まっていた。水道はなく、小屋から提供されるのは夕食時のお茶1杯だけ(ペットボトルの水販売あり)。トイレは雨水を流しているようだが、手洗いはアルコール消毒スプレーのみ。不便を楽しむつもりで準備を怠りなくすれば、いい経験になるだろう。

 夜半に外へ出てみると、点々とヘッドライトの明かりが見えている。予定を早めて3時にスタート、途中で日の出を待ちながら朝食を摂るつもり。少し寒いくらいの服装でも、じきに体が温まる。八合目を過ぎた白雲荘のベンチをお借りして休憩。たちまち体が冷えて、手指もかじかむ思い。ご来光を堪能し、すっかり明るくなったなか山頂を目指す。標高はすでに北岳を越え、私にとって未知の領域。空気が薄いせいか徐々に足運びがゆっくりになるのを感じる。

[富士山頂お鉢巡り]
 久須志神社に登頂のお参りし、お鉢巡りに出発。剣ヶ峰以外は昇り降りもきつくない。陽射しは強いが風もなく、好天に恵まれた。ただ、遠望は霞んでカメラ映りもよくなかった。剣ヶ峰にはかなりの人が列を作っている。ちょうど登山ガイドの方が整理をされいていて、記念撮影しない人は並ばず登ってくださいと言われた。それでも先に行く人はわずか数人。国際色豊かな富士山でも、並んでいるのは日本人を含む東アジア系が多い印象。時間に余裕があったので、吉田口頂上まで行ってお鉢巡りを完遂、戻って御殿場ルートを下る。こちらは人も少なく景色がまた違っている。砂走りも体験して宝永山へ。

[宝永山へ]
 江戸前期の大噴火で誕生した宝永山(2693m)はなかなかダイナミックな景観。樹木はなく、山肌に背の低い植物が点在し蝶も舞っている。富士火口は大きすぎてスケールがつかみにくかったが、こちらは率直にスゲーと思える。ふと、中腹から自衛隊の大砲の音が聞こえてくる。雷鳴のような響き渡る音ではなく、空気振動まで感じられる乾いた音が頻繁に聞こえてくる。この大自然においては明らかに異質であり、いまも世界で起きている現実を思えばこころ穏やかではおられない。さて、あとは富士宮口五合目まで行くだけだ。13時の富士宮行きに乗る予定だったが、12時台のに乗れそうだなと歩を速める。バス停に着いてみれば12:10は三島行きだった。ここまで1400メートル下っただけでかなりの気温差のなか、炎天下で待つことになってしまった。

[富士山は登りやすい山なのか]
 おおまかに砂地、砂礫地、岩場がある。溶岩が固まった岩場は登降しやすく、北アルプスなどの岩稜帯に比べて、整備のおかげもあると思うが難易度は低い。厄介なのは砂地で、ハイカットの靴でもスパッツは必須であり、ソールへのダメージも大きい。六合目以上で階段状に整備された登山道はごく一部のみ。段差の大きい所では子供は身軽に上り下りしていたが、ある程度の年齢になれば普段から足上げのトレーニングをしておく方がいいだろう。そして距離と斜度については並大抵ではない。標高が高いのだから十分割の各合目間も必然的に長くなる。
 人間の心理というのは、皆が行っているから大丈夫と思いがちだが、ここは三千メートル越えの高山=危険地帯との認識は常に持っておくべきだろう。

続きを読む

フォトギャラリー:44枚

すべての写真を見る

装備・携行品

登った山

富士山

富士山

3,776m

関連する登山記録

よく似たコース

富士山 山梨県 静岡県

静岡県側・富士宮口から富士山へ登りお鉢回り後、宝永山を経て下山 日帰り

最適日数
1泊2日
コースタイプ
周回
歩行時間
11時間6分
難易度
★★★
コース定数
42
富士山 山梨県 静岡県

山梨県側の吉田口から富士山に登りお鉢めぐり 1泊2日

最適日数
1泊2日
コースタイプ
周回
歩行時間
11時間31分
難易度
★★★
コース定数
45
登山計画を立てる