• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

山開きとともに登る会津朝日岳

会津朝日岳( 東北)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 赤倉沢(あかくらさわ)駐車場。20台程度。未舗装の無料駐車場。トイレ無し。
カーナビには、「いわなの里」をセット。いわなの里までは舗装道路で、里を抜けると未舗装となり、400mほど進むと終点が赤倉沢駐車場。山開きの時だけいわなの里が臨時駐車場となるが、普段は駐車禁止機につき注意。GPS座標(37.246027 139.377242)をスマホのGoogleMapに入力するとナビ可能。

この登山記録の行程

赤倉沢登山口(05:37)・・・三吉ミチギの水場(06:15)・・・人見ノ松(06:54)・・・叶ノ高手(07:18)・・・熊ノ平(07:41)・・・会津朝日岳避難小屋(07:43)・・・バイウチノ高手(08:15)・・・会津朝日岳(08:18)(昼食~09:00)・・・バイウチノ高手・・・会津朝日岳避難小屋・・・熊ノ平・・・叶ノ高手(09:51)・・・人見ノ松(10:06)・・・三吉ミチギの水場(10:28)・・・赤倉沢登山口(11:02)

コース

総距離
約10.9km
累積標高差
上り約1,568m
下り約1,568m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

充実した浅草岳登山と、「大塩天然炭酸水」等プリ観光もして、久しぶりの奥只見を満喫した土曜日。心のエネルギーも満タンで、このまま帰宅しても良いくらいだったが、本当の目的はあくまでも日曜日の「会津朝日岳」で行われる山開き。毎年、帝釈山、田代山、そして会津朝日岳の3つが、同じ日に山開きを行うためどこに登ろうかと悩ましかったが、今年こそは会津朝日岳に行こうと決めていた。ちなみに、いつも、帝釈山と田代山をチョイスしていたのは、オサバソウという花が見たかったというのが直接的な理由で、加えて、その2座は縦走ができるので、朝一番に登れば二つ同時に山開きに参加し、記念バッチを2つGETできる特典がたからだ。(田代山のバッチは珍しい木札、これも味があってよい)
翌日の会津朝日岳登山に備えて、食料を買い込もうとスーパーを探すが、スマホで検索してもスーパーが見当たらない。奥只見の人は日ごろ一体どこで買い物をしているのだろうか。
幸いコンビニもどき(失礼な表現)があったので、カップ麺等最低限の食料を確保した。本当はおにぎりとかご飯ものが欲しかったが、以前、桧枝岐村で同様のシチュエーションとなり、唯一手に入った「はんぺん」を握りしめて、百名山最難関の一つ「平ヶ岳」を登った記憶があるが、それに比べると文句は言えない豪華な食糧だ。
問題は今日の宿泊場所。
ネットで調べたところによると、数年前には山開きの臨時の駐車場として、近くの学校が指定されシャトルバスが運行されていたようだったが、今年の情報はどこを検索しても見つからなかった。只見駅での車中泊をお勧めする情報もあったが、警察が来ても面倒なので、悩んだ挙句に人目のつかない河原で車中泊をすることにした。
意外にこれが当たりで、車の騒音に悩まされることもなく、ぐっすり眠ることが出来た。
3時過ぎに起床して準備を整え、まずは登山口手前の「いわなの里」まで行ってみることにした。昨年はこのいわなの里がどうも臨時駐車場だったらしい。
到着してみると三角ポールで仕切りがされていていたので、今年も臨時駐車場に間違いないのだろうと思ったが、時間帯が早すぎたせいか誰一人スタッフがいなかったので、停めて良いのか判断がつかなかった。せめてポスターや張り紙などあれば、安心して停めることが出来たが、本来はおわなの里の利用者のみ許可されている場所なので、迂闊に停めることもできない。仕方なく、林道の突き当りにある登山口まで向かうことにした。
行ってみると既に10台程車が停まっていて、幸い2台分ほど空きがあったので、そこに停めさせて頂いた。悩むことなく最初から登山口を目指していればよかった。
お隣の車で朝食の準備をしていた、新潟から来たというおじいさんに話を聞いてみると、やはり山開きに配られる特別なバッチを楽しみにやってきたという。「じゃ、目的は同じですね」と、スタッフが到着するまで山談義で楽しく時間をつぶした。
そのおじいさん、なんと齢77歳という。
車の中に薄っぺらい布団を敷き、どこの山へでも自由気ままに出かけていくという。生活臭が漂う車中を覗いただけでも、かなりツワモノだと分かる。しかも、完全に色あせたミレーのザックが経験の長さを物語っている。「これって30年ほど前に流行ったモデルですよね」と聞くと「良く知ってるね」と笑いながら答えてくれた。
ちなみに、さも会話が成り立っているかのように書いているが、実際は、ほとんど感覚で話をしている。新潟訛りなのか、年齢的に口が回っていないのか、いずれにせよおじいさんの発音は全く聞き取れなかった。失礼な言い方で申し訳ないが、それでも概ね会話は成立していたようだったのでヨシとしよう。
スタッフの方がやって来たので、テント設営の手伝いをしながら山開きに着いて聞いてみる。神事はいわなの里で行うとの事だったが、受付とバッチの配布は、ここ登山口で行うとの事。いわなの里まで戻らないといけないのかと思っていたが、聞いておいてよかった。
早く準備ができたこともあり、6時受付開始を少しフライングして、早めに受付が開始された。
早速、バッチを貰い、混雑しないうちに出発してしまおうと、おじいさんに「お先に!」と挨拶をして登山を開始した。
登山ポストの先にある橋を渡って、まずは川沿いに山の奥深く懐へと進んでいく。
何度か渡渉しながらゆっくりと高度を上げていく。振り返ると原生林のように濃い緑の森が広がっているのが見えた。
最後の水場「三吉ミチギの水場」を過ぎると斜度が増して登山らしくなっていく。樹林帯の中をひたすらくねりながら登山道が延びている。景色が見えない分、同じ動作の繰り返しで登山というより作業に近かったが、登山道自体はよく整備されていて歩きやすかった。
単調な登りに飽きたころ、ようやく視界が開けた。
岩が突き出していて目の前に一本の松が立っていた。「人見ノ松」という場所らしい。初めてここで足を止めて水分補給をする。遠くには昨日登った浅草岳が良く見えていた。やっぱり他の山を圧倒するカッコ良さがある。飯豊山も見えているはずだが、生憎、雲の中に隠れているようだった。
「人見ノ松」から少し登ると、暫く稜線歩きとなる。
名所「叶の高手」まで来ると、ようやく折り返して後半戦へ突入。ここから先は変化があって面白い。名前が付いた大きな樹を幾つか眺めながら、一旦大きく降る。この時、ようやく会津朝日岳の頂らしいものが見えた。山頂手前に斜度の大きい雪渓があると聞いていたが、確かにあちこちに残雪があるのが見えた。
「熊ノ平」を過ぎて今度は登り返しのモードに入る。
途中、会津朝日岳避難小屋に立ち寄ってみた。豪雪にも耐えられるような、かまぼこ状のがっちりした建物だった。
小屋から先は後半戦で一番グッとくる急登が待っている。
蒸し暑かったので、ちゃっちゃと登ってしまおうと一気に駆け上がった。
視界が開け、ついに目の前に雪渓の壁が立ちはだかる。
「これが噂の山頂直下の雪渓か!」と、足を止めて設計を見上げた。
毎年山開きの日には、スタッフの方がスコップでステップを作ってくれるという。それでも何人かは滑落者が出る急登。厳冬期と違い、岩がむき出しになっているので、滑落するとかえって危険だ。
と思いつつも、なんとか登れそうだったので、持ってきたアイゼンは装備せずに、そのまま登ることにした。受付の際に、スタッフの方が「今年は極端に雪が少なほとんどく雪渓も残っていない」と言っていたが、もっと雪が残っていたら確かにアイゼンが必要な購買だった。
登り始めてみたものの直ぐに、直登に違和感を覚えた。どうも違う。「これはルートではない!」と横の斜面を目で追うと、ピンクのテープが見えた。すっかり雪が解けて夏道が露出しているようだった。滑りやすい草に気をつけながら、横へと移動しながら登山道に復帰した。危なく余計なリスクを負うところだった。
下から見上げた時、雪渓の先にあった大きな岩壁にたどり着いた。
反対の斜面が大きくえぐれていて、断崖絶壁のスリルある景色。「ここが山頂でもいいな」と思わず言葉が出るほどの思う絶景だった。
実際の山頂は、そこから50mほど横に進んだところにあった。
鼓状の石柱があり、その下には社員でもよく見る小さな「お地蔵さん」が置かれていた。会津朝日岳のシンボルで、満面の笑みで愛らしい顔立ちをしていた。
景色の良いところに陣取り、他の登山者が登ってこないうちにお湯を沸かして食事をとる。
飯豊山方面は相変わらず雲で良く見えなかったが、浅草岳、裏越後三山の荒沢岳、中ノ岳、越後駒ヶ岳がばっちり見えていた。その左横には、平ヶ岳や至仏山も見えていた。
こんなにも名だたる山が一望できるとは、さすがは会津朝日岳。二百名山だけのことはある。もっと早く足を運ぶべきだった。
良い山に出会うと遠く離れた山仲間の顔を思い出す。いつかこの景色と感動を仲間とともに共有したいものだ。
離れがたい景色だったので、食後にコーヒーを淹れて、ゆっくり景色を堪能してから下山を開始した。
降り始めて直ぐに、息を切らせながら登ってきた駐車場で会った新潟のおじいさんとすれ違った。「えっ、もう登ってこられたのですか?」と思わず驚いて、上から目線的な発言をしてしまった。出会うとしたらもう少し下の方だと想像していたのに、77歳でありながら未だ衰え知らずの方に違いない。笑いながら何か大きな声で話されていたが、相変わらず会話の内容は聞き取れなかった。おそらく「絶景だ!」ということだろうと話を合わせて相槌を打った。笑
下山後、車で深沢温泉「むら湯」に向かい、ひとっ風呂を浴びた。茶色のお湯で「ぬるめ」と書かれていたが、とても気持ち良い温泉でゆっくり浸かることが出来、気が付いたら浴槽の中で居眠りをしていた。
さっと汗を流して速攻で帰宅しようと思っていたが、あまりの心地よさに、お風呂上りに休憩所で一休みをして、ついでに人気No1と書かれたラーメンを頂いた。これがまた予想以上に美味しく大当たりだった、
週末の2日間、旅気分を味わいながら、浅草岳・会津朝日岳の名山2つを満喫し、これ以上なくリラックスができた。また来るよ!只見町。

続きを読む

フォトギャラリー:32枚

すべての写真を見る

装備・携行品

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

  • フィーリングが合うと言語は関係ないですね。

  • そのうち自分もそんな感じになるのかな。笑

登った山

会津朝日岳

会津朝日岳

1,624m

よく似たコース

会津朝日岳 福島県

豊かなブナ林を登り、山頂から大展望を楽しむ

最適日数
日帰り
コースタイプ
往復
歩行時間
7時間20分
難易度
★★★
コース定数
31
登山計画を立てる