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霧の中でムーミンを探す秋田駒ケ岳

秋田駒ケ岳(男岳、男女岳、横岳)( 東北)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

曇り・霧

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 岩手県側から登る国見コースを利用。カーナビには「国見温泉」をセット。県道266号線から林道約8km(舗装)ほど進むと、国見温泉手前に比較的大きな登山者専用の無料駐車場(未舗装)と公共トイレ(靴の洗い場あり)がある。温泉側の駐車場は利用しないこと。朝5時時点ではがら空きだったが、下山時は満車で路駐まで溢れていた。人気の山なので早めの到着がお勧め。

この登山記録の行程

秋田駒ヶ岳登山口駐車場(05:41)・・・国見コース登山口(05:44)・・・横長根分岐(06:23)・・・第二展望台(06:49)・・・大焼砂コース分岐(06:57)・・・かたがりの泉水(07:14)・・・駒池(07:27)・・・男岳・女岳分岐(07:35)・・・男岳(08:15)・・・阿弥陀池(08:33)・・・秋田駒ケ岳(男女岳)(08:51)・・・避難小屋(09:05)・・・横岳(09:19)・・・大焼砂コース分岐(09:44)・・・第二展望台・・・横長根分岐(10:06)・・・国見コース登山口・・・秋田駒ヶ岳登山口駐車場(10:42)

コース

総距離
約11.6km
累積標高差
上り約1,046m
下り約1,044m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

金曜日の夜、仕事終えて高速をひた走り盛岡へと向かう。
時折、強い雨がガラスを叩いたが、天気予報では明け方までには収まるはずと、眠気との戦いだったが、途中、休憩も入れながら安全運転第一で運転した。
登山口から一番近い道の駅「雫石あねっこ」へ3時に到着。眠気が限界だったので、1時間ほど仮眠をとることにした。
雨は徐々に弱まっていったが、風が強く眠っている間も車が大きく左右に揺れていた。終日風が強いと天気予報で言っていたので、ある程度は覚悟していたが、目覚めてもやはり風は強いままだった。周辺の樹々が大きく揺れていたので、最悪は登頂ができないことも想定しておかないといけないと思った。
道の駅で身支度を整え、カーナビに「国見温泉」をセットして車を走らせる。
登山車用駐車場は、温泉宿の手前にあり、大きな看板が出ていたのですぐに分かった。
周辺は白い霧で覆われ、ゴーっと唸りをあげながら風が吹いている。こんな日だけあって登る人も少ないのか、他には誰もいなかった。
駐車場から舗装道路を歩き突き当りまで進む。
国見温泉はとても小さな温泉のようで、山小屋のような建物が2軒ほど建っているだけだった。それがかえって趣があって興味が惹かれた。
突き当りにある石塚旅館の脇にある階段から山へ入っていく。ここが秋田駒ケ岳国見コースの登山口となる。
階段を昇り山へ入っていく。最初は比較的緩やかな坂が続く。霧に包まれた森がとても幻想的だった。雨で川のようになった登山道を登っていく。少しムシムシするが、昨日がどこかの県で39度を記録するような猛暑日だったことを考えれば、これはこれで快適なのかもしれない。
秋田駒ヶ岳は、標高1,637mの男女岳(おなめだけ)や標高1,623mの男岳(おだけ)等の総称で、みちのく最大級の高山植物を誇る花の山と呼ばれている。二百名山の中でも絶対に登りたいと思っていた山の1つだ。1週間後に控えていた今年最大級の登山計画に備えて、ここ1ヵ月近くトレーニングに励んできたが、今日は身体休めを兼ねて心のリラックスのためにこの秋田駒ヶ岳へやってきた。またその登山計画に向けて新しい靴をおろしたので、足ならしのためにピカピカの靴を履いて早速ぬかるんだ登山道を泥だらけになりながら登って行く。
6時20分、横長根分岐に到着。ここまでよく整備された階段で歩きやすい道だった。ここから先は尾根伝いに高度を上げていく。
6時48分、第二展望台に到着。生い茂っていた低木がなくなり吹きさらしになったため、強烈な風に直接さらされるようになりあっという間に体温が奪われていく。
6時55分、コマクサの群生がある大焼砂コースの分岐点に着く。
最初にムーミン谷に行きたかったので、馬場の小路コースへと進んでいく。火山の噴火が作り出した黒色の土が霧の中に広がっている。モノトーンの世界。
斜面の所々に細さなコケのような葉が雨に濡れて光っているのが見えた。特徴的な葉からコマクサとすぐに分かるが、既に枯れてしまったのか、はたまた強風で飛ばされたのか、花はほとんどついていなかった。
気を抜くと一瞬で身体が持っていかれるほどの横風。濃霧で5メートル先が見えない。でも、引き返すほどではなかったので、そのまま霧の中を進んでいく。
相変わらず真っ白の世界で何も見えないが、どうもムーミン谷と呼ばれるエリアに入ったようだった。気がつくと、チングルマの白い花が絨毯のように広がっていた。
こんなに密度の濃いお花畑は久しぶりに見たような気がする。まるで天国のよう、というか実はもう死んでいるのかも?と思った。
かたがりの泉水を過ぎ、真っすぐに延びる木道を歩いていく。
7時35分、男岳と女岳の分岐点に到着。分岐を示す標識の近くにシラネオアイが雨に濡れながら揺れていた。可憐だ。
標識に従い男岳へ向かって登っていくが、もともと予定していたのは巻きながら男岳に登るコースで、実は女岳方面に進むのが正解だったと気づくが、戻るのが面倒だったのでそのまま登ることにした。急な斜面を登り切り、稜線にでたところで左に折れて男岳へ向かう。
8時17分に男岳に到着。霧の中に重なるように並ぶ赤い鳥居が見えた。
本来であれば、ここからは絶景が楽しめたはずだったが、何も見えないどころか風で目を開けているのも辛い。考えてみれば、岩手や青森方面の山は過去、いずれも雨だった。今日はまだ雨が降らないだけマシと言えるのかも知れない。
歩いて来た道を折り返し、阿弥陀池へ向かう。
再び木造となり池の湖畔に沿うように進む。
池の景色は全く見えなかったが、風によるさざ波の音と時折聞こえる鳥の声がとても心地よかった。
足を止めて、しばしと時を忘れる。
阿弥陀池から外れて男女岳へと進む。
遮るものが全くないため途端に強風が容赦なく襲って来た。その強さは息ができないほどで呼吸が苦しかった。
8時50分、山頂に到着。ここでも眺望は望めなかったので、早々に引き返して阿弥陀池の湖畔にある避難小屋を抜けて横岳へと向かう。さすが花の山だけあって避難小屋のトイレ(チップ制)はとても綺麗だった。
9時19分、横岳に到着。ベンチがあったので、腰をかけてここで初めての水分補給を行う。
大焼砂コースを使って下山開始。
男女岳の登りも激しい突風だったが、こちらも負けずの強風。コマクサの群生地だけあって、花のついたコマクサを幾つか見かけたが、なにせ風が強く写真を撮っている余裕はなかった。仕方がないので、一気に駆け下りるように降るが、富士山の砂走を思い出させるような道で、砂に足がとられて上手く歩けなかった。
横長根分岐まで戻ってくると、真っ白な霧の世界にも変化が見られるようになってきた。明るくなってきたと思い空を見上げると、雲の合間に青空が見えるようになってきた。
下山すると晴れるという山あるあるだ。おそらく山頂が完全に晴れることはないかも知れないが、午後からであればひょっとしたら瞬間的に眺望も望めたのかもしれない。こればっかりは仕方ないと。山をやっていると状況の呑み込みは早くなる。
でも、、、、、登ってくる人を見ながら「晴れるなぁ~!」と天に向かって念を送る心の狭さは直らないようだ。(嘘です 笑)
下山後、登山口のあった石塚旅館で温泉に入った。700円。露天風呂は混浴で、内風呂は男女別。露天風呂は多少温めで、内風呂は逆に集めだった。これまで見たことの無い緑色の不思議な温泉で、聞くところによるとお湯の中には青と黄の2色の成分が存在し、それらが混ざりあって緑になるとのこと。以下、HPの温泉の説明。「硫黄泉と炭酸水素塩泉二つの効能を持ち硫黄泉の中でも、硫化水素型になります。湯色は珍しい緑色で有名です。 少し口に含んでみると驚きの不味さ 源泉100%掛け流し黄緑色の温泉で硫化水素の匂いが強く、湯の花がたくさん沈澱しています。源泉50度、毎分200L湧出。主に登山客、温泉マニア(特殊な湯質ゆえ)、湯治客にご好評いただいています。(石塚旅館公式HPより)」
かくして、岩手・青森登山眺望無し記録をまた一つ更新してしまったが、それはまたやってこい!ということ。斜面一面緑と花に包まれたムーミン谷をいつか見に来ようと思った。
追記。帰りにぴょんぴょん舎(稲荷町本店)に立ち寄り、盛岡冷麺を食べた。今回の登山締めくくりに最高に美味しかった!
花に囲まれた登山。緑の不思議な温泉。美味しい盛岡冷麺と大満足の東北遠征だった。

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登った山

秋田駒ヶ岳

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1,637m

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