春の訪れを感じに… 駅近の春の花と新緑の名低山5選

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4月。暖かさを感じる日がだんだんと多くなり、いよいよ春になる。山肌の雪が解けると、次に山を彩るのは可憐な花たちや新緑の葉。今回は、関東近郊で、春を感じられる低山を5つ紹介しよう。

文=石丸哲也

8000本の桜をはじめ、ツツジやアジサイの花が咲き誇る
蓑山(みのやま)

埼玉県/587m
秩父鉄道親鼻駅~蓑山〜秩父鉄道和銅黒谷駅/日帰り 3時間5分

蓑山山頂からは桜を前面に秩父のランドマーク武甲山や秩父盆地がよく見える
蓑山山頂からは桜を前面に秩父のランドマーク武甲山や秩父盆地がよく見える

低山だが、おおらかな山容の独立峰である蓑山は山頂一帯を中心に美(み)の山公園が整備され、桜をはじめとする花の名所である。公園と言っても既存の雑木林を活かして整備され、新緑や山野草の花も楽しめる。山頂の展望台は秩父盆地を囲む山々の眺めもすばらしい。

親鼻(おやはな)駅から指導標に従って蓑山へ向かい、山道に入る。雑木林を登り、車道を横切って美の山公園に入っていくと、道はなだらかになる。広い遊歩道が山頂へ導いてくれるが、途中で西へ入り、山名の由来となった蓑山神社(蓑神社)に寄るのもよい。約160種、8000本という桜が随所に咲くのを見て蓑山山頂に着き、展望台に登れば秩父盆地を囲む山々から雲取山(くもとりやま)、両神山(りょうかみさん)なども眺められる。下山は展望台西側の山道を下り、下山集落で車道に出たあと、和銅(わどう)遺跡に寄って和銅黒谷駅へ。

桜の森は様々な桜の品種が植えられ、特に4月下旬は華やか
桜の森は様々な桜の品種が植えられ、特に4月下旬は華やか
桜が終わるころからヤマツツジが見ごろとなる
桜が終わるころからヤマツツジが見ごろとなる

MAP&DATA

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おすすめのスポット

蓑山の一帯に広がる美の山公園は41haの広さを誇り、様々な花木が植えられた園地や広場を整備。例年、4月上旬から中旬にソメイヨシノ、中旬〜下旬には八重のサトザクラなどが見頃となる。桜の後のツツジやアジサイも美しい。

駅周辺情報

親鼻駅の東、徒歩約10分の道の駅みなのに食事処、産直農産物の売店あり。コンビニは親鼻駅、和銅黒谷駅周辺にはないが中間の皆野(みなの)駅付近に複数あり。皆野駅から登るコースもある。和銅遺跡は、日本最古級の貨幣・和同開珎を鋳造した銅が採掘されたところだ。

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プロフィール

石丸哲也

東京に生まれ育つ。オールラウンドな登山を経て、山岳ライター、登山・ツアーの講師などとして活動している。
山頂に立つことだけを目的とするのでなく、山を旅する感覚で、登るプロセスや自然にふれることを大切にして山を楽しむことを心がけている。
国内では北海道の利尻山から屋久島の宮之浦岳まで全国の山を登り、海外ではペルーアンデス、ヨーロッパアルプス、北米のヨセミテ、メキシコ、カムチャツカなどの山に足あとを残す。

登山の達人が教える関東近郊名低山

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