雪解けで落石が発生しやすい時期。休憩中でも油断せず警戒を 島崎三歩の「山岳通信」 第338号

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2024年4月24日に配信された第338号では、落石による負傷遭難の事例を取り上げ、休憩中でも落石への警戒を怠ることのないよう説明している。


4月24日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第338号では、期間中に起きた2件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 4月19日、明神岳で、2人パーティで入山した63歳の男性が、明神岳から下山中に落石により負傷する山岳遭難が発生した。

明神岳での遭難現場/長野県警察本部ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)4月22日付
  • 4月19日、風越山で、単独で入山した73歳の男性が登山中に滑落して負傷する山岳遭難が発生した。

風越山での遭難現場/長野県警察本部ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)4月22日付

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

4月15日の週は、県内で2件の山岳遭難が発生しました。明神岳では懸垂下降中に落石で負傷。風越山では、鎖場付近で約20m滑落して負傷、いずれも県警ヘリコプターで病院に搬送されています。

明神岳の山岳遭難では、ロープで下降中に浮き石を踏んでしまい、落石が発生してしまいました。落石はさまざまな原因で発生しますが、人が発生させるものと自然に発生するものがあります。積雪上で転がる落石は音もなく猛スピードで接近してきますので、休憩中でも油断せず、山側を向いて警戒をしましょう。

県内の各山小屋では小屋開けの準備が進んでおり、登山道の情報が日々発信されています。登山道の積雪状況については最新の情報をよく確認し、適切な装備の選定をお願いします。過去のゴールデンウィーク中の山岳遭難では、チェーンアイゼン(軽アイゼン)やトレイルランニング用のシューズ、トレッキングシューズなどで積雪のある山域に入山し、滑落や行動不能に陥って救助要請となった事案もあります。

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

⇒バックナンバーはコチラ!

島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

編集部おすすめ記事