もう一着持っていると超便利！夏山シーズンに持っておきたい軽量レインウェアのすゝめ

編集部員のホリウチが個性豊かな登山用品店に訪問し、店員さんにおすすめの登山ギアを紹介してもらいます。今回訪問したのは東京都立川市にあるトレイルランニング専門店「Trippers（トリッパーズ）」。代表の朝長拓也さんに「トレイルランナー以外の登山者にも軽量レインウェアはおすすめです！」と教えてもらいました。

文・写真＝堀内孝太郎（山と溪谷オンライン編集部）

①軽量レインウェアのメリット
②軽量レインウェアのデメリット
③一般的な「山歩き」をする人にもおすすめできますか？
④朝長さんのおすすめレインウェア

今年も夏がやってきました！　大気が不安定になり、低気圧の接近や夕立などに対応するために「レインウェア」は登山に欠かせません。快適に山を楽しむためだけでなく、ときには命を守るための道具なので、慎重に選びたいですよね。

ほとんどの登山者が持っているものだからこそ、今回は普通のレインウェアではなく「もう一着持っていると登山が楽になる！」という視点から、軽量レインウェアの有用性をトレイルランニング専門の登山用品店「Trippers」の朝長さんに教えてもらいました。

登山用品店「Trippers」の店内 — Trippersの店内。立川駅から徒歩3分。「トレイルランナーがワクワクする店になりたい」をキーワードに厳選されたギアを販売している

朝長拓也（ともなが・たくや）

トレイルランニング専門店 Trippers代表。服の型紙を作るパタンナーとして働いていたが、30歳を過ぎてトレイルランニングにハマり2017年にTrippersを立ち上げる。複数の100マイルレースやOMM STRAIGHT ELITEなどを完走。「トレイルランナーがワクワクするお店」をモットーに営業している。

①軽量レインウェアのメリット

ホリウチ朝長さん、今回はよろしくお願いします。トレイルランニングをする人にはおなじみだと思うのですが、軽量レインウェアは現在ではどれくらいの重さのものがあるんですか？

朝長さんサイズにもよりますが、だいたい90g～200gくらいのものが「軽量」と呼べる部類に入ります。

ホリウチ軽量レインウェアのメリットについて教えてください。

朝長さん軽量レインウェアの大きなメリットは「軽いこと」と「コンパクトさ」です。これにより、体力をセーブでき、登山をより気軽に楽しむことができます。特に低山を歩く場合には、薄い生地でも雨風に充分対応可能で、ほかのウェアとレイヤリングすることで対策できます。「低山ならコッチで充分」と思う人には導入する価値があります。

軽量レインウェアの代表例としてザ・ノース・フェイスの「ストライクトレイルジャケット」を収納してみた。コンパクトさが際立つ

②軽量レインウェアのデメリット

ホリウチでは、軽量レインウェアのデメリットはなんですか？

朝長さん軽量レインウェアのデメリットとしては、生地が薄く作られているぶん、風に吹かれることによる体温低下が防げないことですね。風が強く、気温が低い山域や季節は使わない方がよいでしょう。また、ポケットがなかったり、視界を確保するためのフードの形状保持機能など、機能の引き算をして軽量化しているため、その点で物足りないと感じる方もいるかもしれません。まあ、でも使っていけば慣れますけどね（笑）

③一般的な「山歩き」をする人にもおすすめできますか？

ホリウチレインウェアに関しては、少し重さがあってしっかりしている素材のものに安心感を覚えるのですが、トレイルランナー以外の登山者にも軽量レインウェアをおすすめできますか？

朝長さんうちの店はトレイルランニングのアイテムを扱っていますが、実はハイカーのお客様も多いです。「レインウェアを探していて〜」とおっしゃるお客さんには、しっかりヒアリングして適切なレインウェアをおすすめしています。軽量レインウェアをおすすめするときには、①どのような山で着る予定か、②すでに一般的な登山用のレインウェアを持っているか、という2点を確認します。森林限界を超える日本アルプスのような山では剛性のある生地の方が安心ですが、近郊の低山なら軽量レインウェアで充分である場合が多いです。一般的な剛性のあるレインウェアを使ったことのある人であれば、低山で軽量レインウェアでも大丈夫かどうか判断する力があると思いますので、最終的にはお客様に判断してもらえればと思っています。

登山用品店「Trippers」のレインウェアコーナー — 店内のレインウェアコーナー。超軽量のものから、ある程度剛性と重さのあるレインウェアまで、お客さんのニーズに対応できるように取りそろえている

④朝長さんのおすすめレインウェア

ホリウチ朝長さんのおすすめのレインウェアを教えてください！

朝長さん1つ目はザ・ノース・フェイスの「ストライクトレイルジャケット」です。トレイルランナーのなかでは定番のレインウェアです。ポケットやタブなどのディテールを必要最低限までそぎ落とし、約120gと超軽量で携帯性に優れます。
素材はザ・ノース・フェイスオリジナルの『hyvent』。表地10dと極薄ですが、耐水性、透湿性も申し分なく、山を歩くうえで最低限度の耐久性を備えています。
100g前後の超軽量なレインジャケットは裏地を省いた2.5レイヤーが多いですが、ストライクトレイルジャケットは超軽量でありながら3レイヤーなので汗ばんでも肌に張り付きにくく快適です。

The Nroth Face（ザ・ノース・フェイス）
ストライクトレイルジャケット（メンズ）

価格	22,000円（税込）
重量	125g（Lサイズ）

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ホリウチかなり軽いレインウェアですね！軽い方がいいけど、もう少し剛性が欲しい！という方向けになにかありますか？

朝長さんそれならティートンブロスの「フェザーレインジャケット」はどうでしょうか。Stretch Cordura Super Durable 3Lという非常に耐久性が高くストレッチの効いた素材で、表地は20d。薄すぎず少しハリもあって、190gとやや重くはなりますが、それでも充分軽量です。透湿性も非常に高く、脇下のベンチレーション、胸ポケット、フードと裾にはアジャスターなどディテールもしっかりしていて、過酷な環境になっても安心感があります。
トレラン用のレインウェアと比べてアームホールが広くとられているのでレイヤリングしやすく、気温の低い状況にも対応できます。

※フードはヘルメット非対応です。