華やかな大輪のヤマユリと霧中の森歩きを楽しむ奥多摩・金毘羅尾根~日の出山
読者レポーターより登山レポをお届けします。上町嵩広さんはヤマユリが見頃の奥多摩へ。
文・写真=上町嵩広
ヤマユリがきれいとの話を聞いて奥多摩の金毘羅尾根を歩いてきました。さらに尾根の先にある、奥多摩登山入門的な日の出山に登頂するルートです。今回のコースの一部は“関東ふれあいの道”にも指定されているため整備されており、全般的に樹林に囲まれた歩きやすいコースでした。
JR五日市線・武蔵五日市駅から歩いてスタートです。都道33号(檜原街道)を西へ進み、りそな銀行の手前で路地に右折して入ります。「金毘羅山」と表記された道標に従って住宅街のなかを進みます。ルートはやがて住宅街から外れて山のなかへ。簡易舗装された道と土の道が断続する斜面を上がっていきます。途中からちらほらとヤマユリやアジサイを目にすることができました。ヤマユリの大輪はまさに絢爛豪華。
しばらく登った先に金毘羅公園展望台がありました。この日は梅雨の合間の曇り空。あいにくガスが一面にかかり、まったく眺望はありませんでした。展望台のすぐそばに琴平神社が立っています。このあたりはいちばんヤマユリの株が多いようです。お社の裏手に回り込むように金毘羅尾根の登山道が続きます。お社の背後にそびえる磐座はもやに包まれて荘厳な雰囲気を醸し出していました。
金毘羅尾根を北へ日の出山に向かって進みます。晴れていれば御岳山(みたけさん)や大岳山(おおたけさん)の方の眺望があるのでしょうが、今回はなにも見えず。しかし、かすみに覆われた森の中の道は逆に少し神秘的な風情を感じさせてくれました。ルートの途中でちょっと注意が必要な分岐点がありました。向かって左側の道は稜線を上がりますが、これは送電線の鉄塔への作業道(ピンクリボンが付いていて紛らわしい)。右手のトラバースする巻き道を進みます。やがて麻生山(あそうさん)を経由するルートと巻いて日の出山に進むルートに分かれます。
尾根道をさらに進むと左手から上養沢バス停からの登山道が合流します。このルートは通行止めにはなっていないようですが、落石事故があったため「通行注意」との掲示が張り出されていました。このあたりからシトシトと小雨が降りだし始めました。ただ登山道はおおむね森のなかなのであまり濡れることはありませんでした。帽子とウィンドブレーカーで今回はしのぎました。その先を上がっていくといよいよ日の出山の山頂直下に出ます。しかし、ここからがシンドイ・・・。もやで先が見えないので延々と続くかのように山頂まで長い長い階段道を登りました。最後にこの階段はキツイ!
ようやく階段を上がりきると日の出山に登頂です。いかんせん今回はガスに四方を囲まれているため眺望はゼロでした。一休みしてから登ってきた階段道を下り、日帰り温泉施設の「つるつる温泉」に向かって下山していきます。つづら折りの登山道を進み、沢の音が近づくとやがて舗装された林道に出ます。道なりに行けば都道184号線に合流です。左手に少し上がり、つるつる温泉に到着しました。
金毘羅尾根の登山道は稜線のため多少の起伏はありますが、全体的になだらかな道で特に大きな難所などもほとんどありません(日の出山山頂直下の階段を除けば・・・)。標高差は700m程度でコースタイムは標準的には休憩を除いて5時間くらいで、半日のアクティビティとしてはピッタリなハイキングコースと言えそうです。
(山行日程=2024年7月15日)
立ち寄り情報
「枡屋」
MAP&DATA
コース
武蔵五日市駅~琴平神社~金毘羅尾根~日の出山~滝本~つるつる温泉(参考コースタイム:5時間45分)
上町嵩広(読者レポーター)
登山歴は15年ほど。普段は奥多摩や丹沢周辺に出没し、八ヶ岳や北アルプスにも出張ります。好きな山は八ヶ岳の編笠山。山の抱負は「ちょっとだけ背伸びした山を登ってみる」。
プロフィール
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