8月11日にTJARが開幕! 今年も熱い戦士たちが日本の屋根を駆け抜ける

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「日本一過酷な山岳レース」と名高い山岳レース「トランスジャパンアルプスレース」(通称TJAR)が8月11日0時にスタートする。日本アルプスを縦断するレースなだけに、期間中アルプスでの登山を予定している登山者にとっては、選手と山中で出会うシチュエーションもあるだろう。山に行く予定のない人でも、本大会はGPSトラッキングで各選手の現在地が確認できる。今回はスタートを控えたTJARの見どころを解説! どのように観戦するか、マナーやルールはあるのかといった観戦ガイドも掲載しているのでチェックしてみよう!

文・写真=中島英摩

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TJARとは?

今大会の開催期間は8月11日から8月18日まで。富山県富山湾からスタートし、北、中、南アルプスを越えて静岡県の駿河湾をめざす。総距離415km、累積標高は27,000m。これを制限時間8日間(192時間)以内に踏破しなければならない。

TJARの創始者は岩瀬幹生(いわせ・みきお)氏。日本列島を横断する縦走を仲間4人と行なったのが始まりだ。そのころの個人的なチャレンジに起因する「自らの力で走破する自己完結スタイル」は大会のコンセプトとして継承されている。2002年から2年ごとに開催され、参加者の増加とともに規模が拡大。2012年にNHKに取り上げられたことをきっかけに知名度が急上昇し、いつからかTJARに参加する猛者達を“戦士”などと呼ぶようになった。屈強な戦士達の応援を楽しみにしている登山愛好家たちも少なくない。

コースの概要

スタート地点は富山県魚津市のミラージュランド。舗装路を経て馬場島(ばんばじま)登山口から剱岳に至る早月尾根に入り、三大アルプスの縦走旅は始まる。ゴールは静岡市の大浜(おおはま)海岸。総距離は415kmだが、そのうち登山道は198km。海から山、山から山を繋ぐための舗装路が217kmもある。われわれ登山者が日頃、登山口に向かう道中に通る長いトンネルや峠道もすべて自らの足で繋ぐのだ。

基本のルール

基本的には「テント泊縦走」そのもの。道具や食料を担ぎ、登山道や舗装路を繋いでいく。ただし、サポートも小屋利用も禁止されている。宿泊はすべてテント、ツエルトなどの幕営泊のみで、山小屋や避難小屋、町の宿泊施設などでの宿泊や仮眠はできない。山小屋での食事や食料の購入も禁止、購入できるのは水のみで利用時間は5:00~18:00。山小屋以外での山麓等の商店、コンビニ等での食料その他の購入は可能だが、長時間留まる事はできない。コース上には1ヶ所だけ荷物預けスポットが設けられている。8日間以内という制限時間中に、コース上の30ヶ所のチェックポイントを通過し、うち4つのポイントを指定時間内に通過する必要があり、当然のことながらショートカットや交通機関の利用はできない。食事も睡眠も最小限に留め、ゴールをめざしてひたすら歩き(走り)続ける。

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