登山歴の浅い方は、有名な山や標高の高い山から挑戦せず、少しずつレベルアップを 島崎三歩の「山岳通信」 第341号

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長野県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。第341号では、「遭難者の実力と山のレベルのミスマッチ」の事案を例に、有名な山から挑戦せずに、少しずつレベルの高い山へと挑戦することを促している。


5月16日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第341号では、期間中に起きた1件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 5月9日、北アルプスの間ノ岳で、単独で入山した60歳の男性が、奥穂高岳に向け縦走中、技量不足により行動不能となる山岳遭難が発生した。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

5月7日の週は、長野県内で1件の山岳遭難が発生しました。

間ノ岳で発生した山岳遭難は、「怖くて動けない」状況で、救助要請がなされました。大きなケガをする前に、救助要請をしたことはとてもよい判断でしたが、「遭難者の実力と山のレベルのミスマッチ」がこのような遭難を招きました。登山歴の浅い方、登山歴は長いけど最近あまり・・・という方は特に、有名な山、標高の高い山、難しいルートから挑戦せずに、少しずつレベルアップしていきましょう。

また、無事に安否が確認され山岳遭難には至りませんでしたが、土曜午後8時ごろ「日帰り登山予定の家族が帰ってこない、連絡も取れない」、このような通報がありました。結果的には、「テント場で発見」されましたが、当事者とご家族の情報共有不足が招いた末の通報でした(当事者は1泊2日のテント泊を伝えていたが、ご家族は日帰りだと思っていた)。
無事が確認できたのは、通報翌日の朝だったため、安否が確認されるまでの間、ご家族は言葉で言い表せないほど不安な時間を過ごしたことでしょう。

登山を趣味にされる方は口頭で伝えるだけではなく、「登山届の写しを渡しておく」、「定期的な連絡をする」、「天候悪化時の予備日を伝えておく」など、ご家族を不安にさせないような配慮をお願いします。

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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