キャンプ場はどうやって選んだらいい? まずはキャンプを目的ではなく手段として考えてみよう

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文=渡辺有祐(フィグインク)、イラスト=清水将司

キャンプを目的ではなく手段として考える

まずは、キャンプ自体を目的とするのではなく、手段としてとらえてほしい。すると、楽しみ方は一変するはずだ。

キャンプ場を目的地として、チェックインしてキャンプする。シンプルにこれだけを繰り返していると、いずれマンネリ化してくるものだ。キャンプを継続して楽しむには、そこにプラスアルファの付加価値が必要になってくる。

さまざまなキャンプ場を訪れ、素敵な景色を見たり、新しく買ったお気に入りの道具を試してみる。時にはそれを写真に撮ってSNSに投稿する。あるは、現地でのんびりとした時間を過ごす。大人ならば、それで満足できてしまうかもしれない。

しかし、子どもにとってはそうではない。「遊び」の選択肢が無限にある現代において、ただキャンプ場に行ってテントを設営し、のんびりしてご飯を食べる、それを繰り返すだけでは、いずれ飽きてしまうだろう。家族でキャンプを継続して楽しむためには、自己満足で終わるのではなく、ある種の「おもてなし」の精神が必要となってくる。

そこで、あらためて、キャンプを手段として考えてみよう。キャンプそのものを目的にするのではなく、キャンプはあくまで、“何か”を効率的に楽しむための“拠点”とであるという考え方だ。つまり、キャンプをアクティビティの拠点としてとらえるのである。

例えば、日帰りで釣りや登山などアウトドアレジャーを楽しもうと計画を立ててみる。すると、都市部に住む人ならばアクセスが課題となるはずだ。1日でレジャーを本格的に楽しむためには、午前中のうちに現地に入りたい。となると多くの場合、出発時刻の設定にかなり無理が生じてくるだろう。また、週末であれば、帰りには大渋滞に巻き込まれることになり、せっかくの休日に、かえって疲労をため込みかねない。

しかし、そこにキャンプができるという選択肢が加わるとどうだろう。1日目の朝ゆっくりと自宅を出発しても、キャンプという〝拠点〟があれば日が暮れるまでアクティビティを楽しめるし、キャンプでの活動も、プラスアルファの楽しみとなる。翌日、渋滞を避けて早めに帰路につくことも可能だ。遊びの計画に、大いに幅を持たせることができるようになるのだ。

子どもにさまざまな経験をさせてあげたい。自分が好きなアクティビティを家族も楽しんでほしい。そう願うなら、キャンプがより有用なものとなる。

もちろん、焚き火や野外料理、温泉など、キャンプのなかにも「目的」となる活動は豊富にあることも、付け加えておく。

『CAMP LIFE 2023』より転載)

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