開山直後に死亡事故多発の富士山。海の日連休はどうなる?
7月10日、富士山の静岡側3ルート(須走、御殿場、富士宮)が開山を迎えた。ひと足先に開山した山梨側の吉田ルートを含め4ルートすべてが通行できることになり、残雪のために一部で通行止めになっていたお鉢巡りルートも同日開通したが、開山初日と翌日の2日間に4件の山岳遭難が発生し3人が死亡した。
今夏は山梨側吉田ルートで1日の登山者数が4000人に制限されたほか、通行料2,000円の徴収も始まり、これを避けて登山者が静岡県側に流れる傾向も指摘されていた。7月10日の富士山は午後から風雨が強まり、荒れ模様の天気となったが、静岡側の初日とあって大勢の登山者が山頂をめざした。開山直後の遭難は、10日午後に剣ヶ峰付近で滑落した男性登山者が死亡したほか、御殿場ルート八合目付近で身動きが取れなくなっていた男性が死亡。11日早朝にも富士宮ルートの元祖七合目で行動不能の男性が死亡した。ほかにも、10日21時ごろ富士宮ルート六合目で行動不能になった女性が救助された。8日には吉田ルート八合目付近でも体調不良の外国人男性が急死する遭難が起きており、シーズン序盤ですでに死亡事故が多発する事態となっている。
海の日連休も多くの登山者が見込まれるが、日本一標高の高い山だけあって、天候が荒れたときの厳しさは他の山の比ではない。風雨や寒さによる低体温症のほか、高山病、突然死のリスクが高いことも富士登山の特徴といえる。無理のない計画やしっかりした装備はもちろんだが、体調、天気などのコンディションによっては登山を強行せず、中止したり、無理せず引き返す判断も必要になりそうだ。
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