【9月27日更新】稜線の紅葉が見頃に。北アルプス後立山連峰・爺ヶ岳の秋色深まる。秋山紅葉情報2023
「種まき爺さん」の雪形で大町市民から親しまれている北アルプス後立山連峰の爺ヶ岳(長野県大町市/富山県立山町)の紅葉情報をお届けする。
構成=山と溪谷オンライン
よく整備された柏原新道を踏んで爺ヶ岳へ
爺ヶ岳(2670m)は、扇沢(1338m)から入山する柏原新道の歩きやすさから、後立山連峰のなかでもポピュラーなコースとして人気が高い。「信州山のグレーディング」によると爺ヶ岳のグレードは4Bで、同じグレードの山としては針ノ木岳、燕岳、常念岳や蝶ヶ岳などがあり、全長約12kmの扇沢〜山頂往復ルートは1泊2日の登山となる(種池山荘泊、テント場あり)。
種池山荘のホームページによると、柏原新道は山荘2代目オーナーの柏原正泰氏(令和3年逝去)が昭和30年代後半から昭和41年頃にかけて自ら開拓した登山道で、現在は3代目オーナーとなる柏原一正氏が種池山荘スタッフとともに柏原新道を守る。剱・立山連峰、針ノ木岳、蓮華岳、槍ヶ岳方面の大パノラマが楽しめる爺ヶ岳までの登山道は紅葉の名所でもあり、柏原新道は一度は歩いておきたい北アルプスの名ルートである。
![爺ヶ岳の登りから見る紅葉の種池山荘と立山連峰](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2023_09/20230927_yamaya_jii-1.jpg)
爺ヶ岳周辺の稜線の紅葉は最盛期へ
その爺ヶ岳の秋も深まってきた。種池山荘の柏原一正オーナーによると、日照が強く少雨だった今年の紅葉がどうなるか心配だったそうだが、首都圏一帯が秋の空気に包まれたシルバーウイーク後半から大町市周辺も秋の気配が濃厚になり、9月26日は標高2450mに立つ種池山荘で初氷となった。稜線付近の最高気温は10度~13度で、柏原さんによると、これから数日で山荘周辺のダケカンバなどの色づきは一気に濃くなり見頃を迎えるとのこと。この後、紅葉前線は柏原新道をゆっくりと下る。10月中旬頃までナナカマド、ダケカンバ、ミネカエデやクロマメノキの紅葉黃葉を楽しめるだろう。
空いている10月の平日もおすすめ
本年度、爺ヶ岳から針ノ木岳への縦走路に立つ新越山荘は営業を終了し、種池山荘の営業は10月15日まで。また、冷池山荘は館内工事のため10月1日で今年の営業を終了する。柏原一正オーナーの方針で、種池山荘では宿泊定員をこれまでの人数の40%に当たる90人とし、完全予約制で休日でもゆったり山の時間を過ごすことができる。また、平日の宿泊料金は割引きで利用できるので、比較的空いている10月平日の利用も検討したい。秋も深まり日没がどんどん早まっている。行動時間は15時までと考え、これから最盛期を迎える紅葉の柏原新道と爺ヶ岳の大パノラマを楽しみたい。
![柏原新道の紅葉](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2023_09/20230927_yamaya_jii-2.jpg)
MAP
![](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2023_09/20230927_yamaya_jii-3.jpg)
関連リンク
この記事に登場する山
![](/new_images/yamanavi/main_photo/473_disp.jpg)
紅葉情報2023
秋が深まるにつれて、山の表情は刻々と移ろっていきます。北は北海道、標高の高い日本アルプスから九州の山まで紅葉前線を追いかけて、全国の登山エリアの最新情報をお届けします。