この夏こそ日本アルプスに登ろう! 厳選アルプス入門ルート【山と溪谷2024年6月号特集より】

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雑誌『山と溪谷』2024年6月号の特集は「アルプス名ルート100」。日本アルプスの名ルートを100本、編集部が厳選。アルプスビギナーがまずはめざしたい名ルートから、ベテランにおすすめしたい通好みのルートまでテーマ別に紹介している。特集ページから、入門ルートのコースガイドを一部紹介しよう。

目次

南アルプス 仙丈ヶ岳(せんじょうがたけ)

北沢峠⇒小仙丈ヶ岳⇒仙丈ヶ岳⇒仙丈小屋(泊)/往復/1泊2日

小仙丈ヶ岳からカールを抱く仙丈ヶ岳を眺望する
小仙丈ヶ岳からカールを抱く仙丈ヶ岳を眺望する

好展望の稜線漫歩。南アルプス入門の山

仙丈ヶ岳は、3つのカールを抱えた優美な山容が特徴の山で、初夏にはみずみずしい可憐な花が咲く様子から「南アルプスの女王」と呼ばれることもある。コースには危険な岩場もなく、初心者が安心して登ることができ、南アルプス入門の山として人気がある。山頂では日本最高峰の富士山と標高第2位の北岳(きただけ)が並ぶ光景を楽しめる。

早朝の北沢峠(きたざわとうげ)は夏でも涼しさが漂っていて気持ちがほぐれる。コメツガやシラビソなど原生林を眺めながら高度を上げていく。やがて樹林帯を抜け小仙丈ヶ岳(こせんじょうがたけ)から稜線に出ると甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)、八ヶ岳(やつがたけ)などの山並みを見ることができる。仙丈ヶ岳山頂からは日本アルプスの峰々のほか伊那(いな)方面の街並みの眺めもすばらしい。最近、稜線のお花畑も回復しつつあり、ライチョウと出会う機会も増えてきた。日帰りも充分可能な行程だが、仙丈小屋に宿泊して朝焼け夕焼けを眺めたり、稜線漫歩を満喫しながら過ごすのもよい。

(写真・文=伊藤哲哉)

山頂付近でくつろぐ登山者。大仙丈ヶ岳の眺めもよい
山頂付近でくつろぐ登山者。大仙丈ヶ岳の眺めもよい

MAP&DATA

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【1日目】 
北沢峠(08:00)・・・二合目(09:00)・・・五合目(大滝ノ頭)(10:00)・・・小仙丈ヶ岳(11:00)・・・仙丈ヶ岳(12:00)・・・地蔵尾根分岐(12:10)・・・仙丈小屋(12:20)
【2日目】 
仙丈小屋(07:00)・・・地蔵尾根分岐(07:10)・・・仙丈ヶ岳(07:25)・・・小仙丈ヶ岳(08:05)・・・五合目(大滝ノ頭)(08:45)・・・二合目(09:25)・・・北沢峠(10:05)

歩行時間:7時間25分
歩行距離:約9,300m/上り1,304m 下り1,304m

山と溪谷2024年6月号

山と溪谷2024年6月号
特集「アルプス名ルート100」

発行 山と溪谷社
価格 1,430円(税込)
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目次

雑誌『山と溪谷』特集より

1930年創刊の登山雑誌『山と溪谷』の最新号から、秀逸な特集記事を抜粋してお届けします。

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