仲間と御岳山と日の出山へ! 週末のごほうびにゆったりツツジ登山
読者レポーターより休日の登山レポをお届けします。植野律子さんは仲間と一緒に青梅市の御岳山(みたけさん)、日の出山(ひのでやま)へ。ツツジを愛でて、山ごはん!
文・写真=植野律子
いつも私を元気づけてくれる愉快な仲間たちと一緒に、待ちに待った1年ぶりの登山。久しぶりの山ということで、今回は御岳山(929m)から日の出山(902m)にプチ縦走し、つるつる温泉をゴールとするゆったりコースに決めた。
当日はみごとな快晴で、麓の最高気温は30度近く。半袖Tシャツにお気に入りの山シャツを羽織って出発した。この日をずっと心待ちにしていたため、真っ青な空を見上げるたびにうれしく、ついつい笑みがこぼれてしまう。
JR青梅線御嶽駅で電車を下車。そこからケーブルカーのある滝本駅までバスで行く予定だったが、バス停に着くと50m以上の大行列が。3台は待たないと乗れないだろうと推測し、約3kmの道のりを50分歩くことにした。
御岳橋から見下ろす多摩川(御岳渓谷)は、普段見慣れた下流の多摩川とは違い、岩がゴロゴロ、ゴツゴツしている。スタート直後から溪谷観光に来たような気分になり大はしゃぎしていた。
しかし、滝本駅までは標高を200m近く上げなければならない。徐々に坂が急になり、結局3台のバスに抜かされたところで、やっと滝本駅に到着した。暑さと長い坂道に早くも疲れてしまった私たちは、全員一致でケーブルカーを使うことに。涼しい車内で体力を回復させた。
武蔵御嶽(むさしみたけ)神社までは約30分。茶屋や宿坊に並ぶおいしそうなレモネードやメロンパン、お団子に気をとられながらも一気に登り、お参りを済ませた。この神社は、盗難除け・魔除け・豊作の神として古くから信仰されてきたという。授与所には多くの人々が御守りや御朱印を求めて並んでいた。拝殿の周りでは、真っ青な空と新緑がきれいな山々を背景に家族写真を撮る人たちもいた。美しい風景と微笑ましい光景に癒やされ、私たちも再出発。御岳山の山頂標識を皆でしっかり確認し、日の出山に向けて神社の階段を下った。
ここまでは舗装された道が続いていたが、日の出山への分岐点から先へ進むと木々に囲まれた登山道が見えた。カメムシやチョウ、ハチなどの虫との出会いに季節の移り変わりを感じながら歩いていると、ツツジ科の植物たちが花を咲かせているのが目にとまった。今回いちばん印象に残った植物の一つだ。街路樹として道路脇で見かけることの多いが、山中ではさらにバリエーションが豊かで、シャクナゲやドウダンツツジの仲間など、街中ではなかなか見られない様々な種類の繊細な形や色合いを楽しむことができた。
分岐点から40分ほど歩くと、あっという間に日の出山山頂(902m)にたどり着いた。開けた山頂には、ベンチがたくさんあり、広い空と遠くに見みえる山々のシルエットを楽しみながら、ゆっくりと昼ごはんを味わうことができる。今回の昼ごはんの条件は、「好きなカップラーメンと、なにか焼きたいもの。」結果、5種類のカップラーメン、おにぎり、ホットサンド、ソーセージが集まった。特に同期の手作りホットサンドは絶品。偶然空いた日陰スポットが心地よく、おいしい山ごはんを味わっていると、おしゃべりも弾み、ついつい長居。時計を確認すると、山頂に着いてから2時間も経過していた。後から来た登山客も次々と下山してしまったので、私たちも日の出山の山頂標識の前で記念撮影をして、温泉に向けて出発することにした。
下山は1時間半ほど。浮いた小石で滑りやすいところにさえ注意すれば歩きやすい道が続く。ベニドウダン、ノイバラ、コゴメウツギ、ガクウツギ、マルバウツギなど季節の花々を楽しみながら下っていると、水の流れる音が聞こえてきた。ゴールはもうすぐだ。
山道を抜けると車道脇に涼しげな小川が。童心にかえり遊びつつ歩き、ついに、つるつる温泉にゴール。檜風呂や露天風呂にゆったりと浸かり、一日の幸せな思い出を振り返りながら疲れを癒やした。
温泉からは20分ほどバスに乗ると、武蔵五日市駅に着く。あとは、家の近くまで戻って、最高に充実した一日に乾杯するだけ。ついつい、たくさん食べて飲んでしまった。
このコースのおすすめポイントは、バスやケーブルカーで難度を調整できるところ。体力には自信がないけれど山に登りたい!山ごはんをメインで楽しみたい!下山後は温泉に入りたい!という人にもぴったりのコースだ。ぜひ、日々のちょっとしたごほうびに選んでほしい。(山行日程=2024年5月18日)
MAP&DATA
コース
御嶽駅~滝本駅~御嶽山駅~御岳山(武蔵御嶽神社)~日の出山~つるつる温泉(参考コースタイム:4時間11分)
植野律子(読者レポーター)
洞窟好きだったが、新たな趣味を求めて登山を始める。ウェアやごはんで気分を変えながら登る週末の山は、とっておきのごほうび。山中では、植物を愛で、撮影しながら登るのがいちばんの楽しみ。
この記事に登場する山
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