低山ながらも見どころ登りごたえ充実の筑波山へ
読者レポーターより登山レポをお届けします。寺尾雄二さんはほぼ毎週行っているという筑波山へ。
文・写真=寺尾雄二
梅雨の合間をねらって筑波山へ行きました。筑波山は低山ながらも、急登、岩場など、変化に富んだ山歩きができるため、ほぼ毎週のようにトレーニング山行に訪れています。
駐車は筑波山神社近くの駐車場を利用。平日の朝なので、神社門前のみやげ屋は、閉まったままの店もありました。筑波山神社の周辺には、市営・民間含め多くの駐車場があり、紅葉時期を除けば休日でもすべてが満車になることはありません。
神社での参拝後、右手の白雲橋コースから入山。平日のため、登山者は少なめです。途中「酒迎場」にて、つつじヶ丘(ロープウェー山麓駅)方面の道を見送り、山頂方面の道を進みました。ここまで緩やかだった登山道は以降傾斜を増し、弁慶茶屋跡までは、うっそうとした樹林帯の登山道が続きます。
弁慶茶屋跡ではつつじヶ丘からの登山道が合流しますが、平日のため休憩する登山者はまばらでした。ここからは、登山道の雰囲気がガラリと変わります。
写真の「弁慶七戻り」をはじめ、山頂手前まで奇岩群を見ながらの登高です。筑波山は標高こそ1000mに満たない山ですが、独立峰ゆえに風が抜ける場所が多く、奥多摩や丹沢の低山と比べると、夏でも意外と快適なハイキングが楽しめます。山頂近くでは広葉樹の比率も高く、夏場は強い日差しをさえぎり、逆に冬場は葉を落とし、日差しのぬくもりを感じさせてくれます。
ロープウェーの支柱脇を通過すると、山頂はもうすぐ。最後の岩場を登り切り、女体山頂(877m)に到着。当日は梅雨の合間で気温も高く、もやもかかっていましたが、冬場、空気の澄んだ晴れた日であれば、山頂からの展望は抜群で、南側には霞ヶ浦、そこから西側に目を移すと、都心の建物から丹沢、富士山、奥多摩、秩父の山々、さらには浅間山、上越方面の山々を望むことができます。
筑波山は山頂が二つある双耳峰で、もう一つの山頂である男体山(871m)へは山頂連絡路によってつながっています。女体山を後に、連絡路を緩やかに下って行くと筑波山神社の近くから通じるケーブルカー山頂駅のある御幸ヶ原(みゆきがはら)に到着。休日にはケーブルカーを利用する観光客も訪れ、非常ににぎわう場所ですが、当日は登山者も含めて人はまばらでした。広い広場にはみやげ屋が並び、飲料の購入や食事をとることもできます。また広場の一角には「バーナーエリア」が区画されており、コンロなどの火器はこの中で使用できます。
御幸ヶ原からは、木の階段を登り男体山へ。若干の急登になりますが、最後の岩場を登り切り、手すりのある石段を抜けて男体山頂に到着。
男体山頂のテラスは、以前うっそうと茂っていた木々が取り除かれ、西側から北側にかけての展望が一気に広がりました。冬の晴れ間であれば、この場所からも日光連山も望むことができますが、やはり季節柄、見晴らしはいまひとつでした。男体山頂からはいったん御幸ヶ原に戻り、帰路は直接、筑波山神社に通じる御幸ヶ原コースへ。
最初は整備された木の階段を一気に下りますが、梅雨の合間で滑りやすいため、慎重に進みます。途中、筑波山を水源とする男女川(みなのがわ)の水場があり、当日は、豊富に水が出ていました。
御幸ヶ原コースはケーブルカーと並行に続いており、水場のある場所から、さらに下って行くと、上り下りのケーブルカーが交差する箇所に休憩舎があります。ちょうど、休憩舎に到着したのと同時に目の前をケーブルカーが通過しましたが、やはり平日のため、乗客は少なかったです。
休憩舎から先も急傾斜を交えた道が続くので、スリップに注意して下ります。並行して見え隠れしていたケーブルカーから離れ、道が緩やかになると、間もなくコンクリートの道に合流。この道は筑波山神社からケーブルカー山麓駅(宮脇駅)に続く道で、休日は観光客も加わりにぎやかになりますが、この日はひっそりとしていました。
普段であれば神社前を通過し、そのまま駐車場に向かうのですが、社殿脇の裏手へ向かい、この時期に咲くアジサイを見に立ち寄りました。数はそれほど多くはありませんが、咲いているアジサイを見ると、季節を感じられます。
ほぼ毎週のようにトレーニング山行に訪れている筑波山ですが、この時、欠かさずに持っていくのが「トング」と「ゴミ袋」です。歩きながら、落ちているゴミを拾いますが、今回も使い捨てマスク、あめの包み紙、ティッシュなどのゴミと、道のわきに置かれたままのタオル、軍手などを回収しました。登山中、気づかずにうっかりと落としてしまうのは仕方ないと思いますが、ハイカー各自のちょっとした配慮で、ゴミが減ればなによりだと思います。
(山行日程=2024年6月27日)
立ち寄り情報
「旧筑波山郵便局」
MAP&DATA
コース
筑波山神社~白雲橋コース~女体山頂~(山頂連絡路)~男体山~御幸ヶ原コース~筑波山神社(参考コースタイム:4時間)
寺尾雄二(読者レポーター)
埼玉県三郷市在住。定年退職後の現在、週1回のペースで筑波山に登っています。その他、春は残雪の北アルプス、秋は日本山岳耐久レース、元日の雲取山が年間のルーティンです。体力を維持しこれからも山を楽しみたいと思います。
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