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絶景!ニッコウキスゲ咲き誇る霧ヶ峰へ
読者レポーターより登山レポをお届けします。東武さんは今が見頃のニッコウキスゲを見に霧ヶ峰(きりがみね)へ。
文・写真=東 武
上諏訪駅の西口は、朝9時の時点でバス待ちの行列ができていました。
車山(くるまやま)高原行きの臨時バスも到着し、定刻通り上諏訪駅を9時25分に出発します。車山高原に向かうビーナスラインは毎年この時期に渋滞すると聞いてましたが、この日は思っていたよりも車が少なく、道路も比較的空いていました。渋滞に巻き込まれなくてツイてるなぁ・・・などと思っていましたが間違いでした。
車山肩まであと数分、という位置でバスが停止します。目の前には駐車場の空き待ちなのか、車がずらっと並んでいます。「これはなかなか進まないかもしれないですね」と、運転者さんが諦めたようにつぶやいていました。
結局、予定時間を30分ほど過ぎた11時10分に車山肩に到着です。バスを降りたあともビーナスラインは延々と車が列をなしていました。やはりこの時期は車山肩の周辺が大混雑するようです。
スタート時間は遅れましたが、気を取り直して出発です。今回の目当てはニッコウキスゲ。事前に調べていた情報ではそろそろ見頃とのことでしたので「どの辺に咲いているのかな」と、バスを下りて周囲を見ると、探すまでもなくいきなり目の前にニッコウキスゲの群生を発見。
![長野県・霧ヶ峰(車山)](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_07/20240710_repo_kirigamine01.jpg)
![長野県・霧ヶ峰(車山)](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_07/20240710_repo_kirigamine02.jpg)
いきなりの目的達成です。
車山から八島ヶ原(やしまがはら)湿原まで下りて、スタート地点の車山肩まで戻る周回ルートを歩きながらニッコウキスゲを観察するつもりでしたが、開始直後にこの群生。美しい景色を前に「こうなったらもう予定変更してここで夕方までのんびり過ごしても楽しいかな」なんて考えが頭をよぎります。
とりあえずは予定通り、車山をめざして歩きます。
![長野県・霧ヶ峰(車山)](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_07/20240710_repo_kirigamine03.jpg)
車山肩から山頂までは傾斜もゆるやかで、歩く時間も30分程度。しかも快晴で絶景と、言うことなしの道のりです。山頂はすぐに見えてきました。車山の山頂には気象観測用のレーダーがあるので、遠目でも山頂の位置がはっきりわかります。
![長野県・霧ヶ峰(車山)](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_07/20240710_repo_kirigamine04.jpg)
霧ヶ峰の気象レーダードームは1999年に設置されたもので、白いドームの中には直径4mのパラボラアンテナが入っています。山で見る自然の景色も好きですが、こういった人の手で築かれた大きな建造物もまた心ひかれます。
山頂はたくさんの人でにぎわっていました。車山高原からリフトでも来られるので登山の服装をしていない人も大勢います。山頂からは八ヶ岳、富士山、南アルプス、反対方向には北アルプスと、日本の名だたる名峰をずらりと一望できます。
![長野県・霧ヶ峰(車山)](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_07/20240710_repo_kirigamine05.jpg)
山頂にはきれいなウッドデッキもあります。「やっぱりここで夕方までゆっくりしようか」とだいぶ気持ちが揺れました。後になって振り返れば、山頂でのんびり滞在せず予定通りに湿原まで下りて正解でした。
![長野県・霧ヶ峰(車山)](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_07/20240710_repo_kirigamine06.jpg)
ウッドデッキの誘惑を振り切って、八島ヶ原湿原へ向かいます。車山の山頂から下る途中、眼前に見える白樺湖もまたきれいで、白樺湖の方面にも行きたい衝動に駆られます。予定を変更したくなる絶景の誘惑がたくさんありますがグッと我慢します。
![長野県・霧ヶ峰(車山)](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_07/20240710_repo_kirigamine07.jpg)
車山の周辺は登山道というよりは高原に通されたゆるやかな道、という印象で、歩きやすい道が続いていました。晴れた空と景観のよさもあって、歩いているだけで楽しくなります。
![長野県・霧ヶ峰(車山)](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_07/20240710_repo_kirigamine08.jpg)
物見岩を越えて、八島ヶ原湿原へと下るルートまで来ると、斜面をジグザグに下ってようやく登山道らしさが出てきます。ここまでずっと聞こえていた風の音に混じって、水の音が聞こえてきます。徐々に背の高い木が現われはじめて、湿原に近付いているというのが感覚的にわかりました。
今回の目的はニッコウキスゲでしたが、すでに車山肩で群生を満足するまで眺めたので、花を見たい欲求は満たされていたつもりでした。
ところがなんと、八島ヶ原湿原では道のすぐ横にニッコウキスゲが生えているではないですか。
![長野県・霧ヶ峰(車山)](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_07/20240710_repo_kirigamine09.jpg)
車山肩で見た、群生する様子ももちろんきれいでしたが、湿原では単独でぽつりぽつりと咲くニッコウキスゲを、目の前で心行くまで眺められます。
ニッコウキスゲは朝に咲いて夕方にはしぼんでしまう一日花なので、こうして満開の姿を間近でじっくり眺められるのは幸運です。山頂で満足せず湿原まで下りてきて本当によかったな、と思える瞬間でした。
湿原をぐるりと周回するように作られた木道の脇には、ニッコウキスゲのほかにもノハナショウブやハクサンフウロなどさまざまな花が咲いており、どれだけ眺めても飽きません。
![長野県・霧ヶ峰(車山)](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_07/20240710_repo_kirigamine10.jpg)
夏の高山植物を眺めながら、八島ヶ原湿原をぐるりと回り、車山肩まで戻りこの日の登山は終了です。天気にも恵まれ、目当てだったニッコウキスゲのきれいな姿も眺められて、大満足の一日でした。
(山行日程=2024年7月7日)
![長野県・霧ヶ峰(車山)](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_07/20240710_repo_kirigamine11.jpg)
MAP&DATA
コース
車山肩~車山~蝶々深山~八島ヶ原湿原~車山肩(参考コースタイム:3時間50分)
関連リンク
![東 武(読者レポーター)](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_06/20240603_repo_daibosatsu_prof.jpg)
東 武(読者レポーター)
晴れた日は山に出没し雨の日には本を読む、そんな暮らしにあこがれる文系山男。文学サークル・ペンシルビバップを主催している。山と文学と相模原市を愛してやまない。
この記事に登場する山
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