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関東以北最高峰の日光白根山で大展望と湖沼巡り
読者レポーターより登山レポをお届けします。真鍋晋さんは日帰りで日光白根山(にっこうしらねさん)へ。
文・写真=真鍋 晋
「一緒に山に行きませんか!」
最近登山を始めたという友人から、山行の誘いがあった。登山経験の浅い友人のためにも、今回は比較的安全で、多彩な魅力が詰まった登山にしたいと考えた。そこで、まず思い浮かんだのが、日光白根山だった。最大の魅力は、山頂からの眺望だろう。関東以北で最も高い頂は、足のすくむような高度感と、視界をさえぎるもののない解放感を味わえる。周回コースにすれば、美しい針葉樹林や、幻想的な湖沼のほとりを散策できる。標高2578mとはいえ、ロープウェイを使えば2000m地点からのスタートとなる。初めて本格登山を楽しむには、まさにうってつけの山だ。
朝7時、駐車場に到着。冬季にはスキー場として利用される大きな駐車場で、満車となる心配はあまりない。運行を開始する7時30分にロープウェイに乗り込み、山頂駅で降りれば、溶岩ドームの山容が目の前に姿を現わした。
![日光白根山・針葉樹林帯](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_07/20240705_repo_nikkoshirane01.jpg)
二荒山神社を過ぎ、鉄の扉を開くと、いよいよ登山開始である。序盤の山道は、ハイキングコースにもなっており、足場はとても安定している。しばらく進むと、苔むした、美しい針葉樹林に囲まれる。同じ樹林帯といっても、八ヶ岳とは趣が異なる。徐々に勾配がきつくなり、みんな登山の洗礼を浴びる。1時間半ほど登ったところで、ようやく森林限界を超え、一気に視界が広がる。
![日光白根山・森林限界を越える](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_07/20240705_repo_nikkoshirane02.jpg)
喜んだのもつかの間、次は火山特有の荒涼としたガレ場が続く。砂礫に足をとられ、とても歩きにくい。やっとガレ場が終わったかと思うと、最後は岩場が待っている。手足を使ってよじ登れば、ようやく山頂が近づく。ロープウェイがあるといっても、決して楽な行程ではない。
![日光白根山・火山特有の砂礫](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_07/20240705_repo_nikkoshirane03.jpg)
10時、山頂に到着。ぐるりと三六〇度、視界をさえぎるものはなく、解放感が抜群である。足元には五色沼(ごしきぬま)の美しい湖面が見える。すこし遠くに目をやると、中善寺湖(ちゅうぜんじこ)と男体山(なんたいさん)が並んでいる。その先には折り重なるように日光の山々が連なっている。この山の最大の魅力は、なんといってもこの眺望であろう。道標の近くはやや混み合うため、小さな谷を越えた反対側の山頂へと向かう。ここには開けたスペースがあり、バックパックを置いて小休止をとる。持参したお菓子と飲み物を広げ、しばし絶景を堪能する。みんなどうやら、登山のすばらしさを満喫しているようだ。
![日光白根山・山頂](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_07/20240705_repo_nikkoshirane07.jpg)
![日光白根山・男体山と中禅寺湖](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_07/20240705_repo_nikkoshirane04.jpg)
後半は2つの湖畔を巡る周回ルートとなる。山頂から峰伝いに稜線を歩き、来た道とは反対の斜面を降りる。ここの下りは少し急で、足元には注意が必要だった。30分ほどで平地となり、ほどなく青い湖面が姿を現わす。五色沼の湖畔は静寂で、神秘的な雰囲気に包まれている。
![日光白根山・五色沼](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_07/20240705_repo_nikkoshirane05.jpg)
この静けさの原因はなんだろう?と思いを巡らす。周りには日光白根山、前白根山、五色山、座禅山があり、高い山々に囲まれた窪地になっている。湖には水流がない。川の出入りはなく、閉塞湖である。そしてなにより、美しい青の湖面が幻想的な雰囲気を醸し出している。湖畔には開けたスペースがあり、ここでゆっくりとランチを楽しんだ。
![日光白根山・弥陀ヶ池](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_07/20240705_repo_nikkoshirane06.jpg)
ここから弥陀ヶ池をめざす道のりは、登りが続く。弥陀ヶ池もよく似た雰囲気であるが、色彩は五色沼ほど青くはなく、大きさもやや小さい。このあたりは登山道の分岐が多く、道を間違わないよう注意が必要だ。湖面の木道の方向には進まず、坂道を登って樹林帯に戻る。途中からは、来た道に合流し、ロープウェイ山頂駅に戻った。山頂駅には、軽食レストランや足湯施設もあり、疲れをいやすこともできる。今回はロープウェイで山麓駅まで戻り、こちらの入浴施設で汗を流すことにした。一日体を動かした後は、温泉とサウナで疲れを癒すことができる。ここはまさに、さまざまな登山の魅力を満喫できる場所である。
(山行日程=2024年6月16日)
MAP&DATA
コース
山頂駅~日光白根山~五色沼~弥陀ヶ池~山頂駅(参考コースタイム:5時間)
![真鍋 晋(読者レポーター)](https://www.yamakei-online.com/new_images/yama-ya/article/2024_05/20240509_repo_manabe_prof.jpg)
真鍋 晋(読者レポーター)
普段は現役外科医、週末は登山・トレラン・ジョギング。じっと座っていることが、苦手な性分です。
この記事に登場する山
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