花と新緑を訪ねて。春から登れる百名山【東京周辺】
登山シーズンが始まる春。高山はまだまだ雪の季節だが、すでに登山適期を迎えている日本百名山もある。雪山登山の経験がなくても今すぐ登れる百名山を紹介しよう。
構成=山と溪谷オンライン、イメージ写真=PIXTA
目次
天城山(あまぎさん/静岡県/1406m)。アセビ咲く春の伊豆最高峰へ。
天城山は伊豆半島の最高地点・万三郎岳(ばんざぶろうだけ)や万二郎岳(ばんじろうだけ、1299m)などのピークを総称した名前だ。温暖な気候なので通年登れるが、深田は12月下旬に天城山で野宿を試みたものの、あまりの寒さに下山している。南岸低気圧がもたらす雪の心配がなくなるのは4月から。全体が樹林に覆われた山なので、4月のアセビ、5月のアマギシャクナゲ、ブナの新緑と、豊かな森の表情に触れることができる。
天城山のおもしろいところは、火山活動が作り出したユニークな地形だ。山麓にはこんもりと盛り上がったスコリア丘の大室山(おおむろやま、580m)、溶岩ドームの矢筈山(やはずやま、816m)などがあり、登山コースの途中の八丁池(はっちょういけ)は活断層のずれによりできた窪地が池になったものとされている。登山コース中には、南の伊豆諸島、北の富士山など、富士火山帯の山や島を展望できるポイントもあるので、日本を形成したかつての火山活動をイメージしながら眺めてみよう。「伊豆半島ジオパーク」は、2018年にはユネスコの世界ジオパークに認定されている。登山の前後に天城ビジターセンターなどを訪ねるのもよい。天城山の成り立ちをきっかけに、壮大な地球の歴史に触れることができる。
行程・コース
関連する登山記録
目次
今がいい山、棚からひとつかみ
山はいつ訪れてもいいものですが、できるなら「旬」な時期に訪れたいもの。山の魅力を知り尽くした案内人が、今おすすめな山を本棚から探してお見せします。