お正月に登りたい山コースガイド　東日本編

新しい一年のはじめに登りたいコースを紹介！　初日の出や初詣など、お正月ならではの情報も掲載。都心からのアクセスのよい御岳山をはじめ、東日本の5コースを紹介します。

愛される東の霊山筑波山（つくばさん）

茨城県／877m
筑波山頂駅～男体山～女体山～弁慶茶屋跡～筑波山神社～筑波山神社入口

眼下の霞ヶ浦を輝かせて平野から昇る初日の出は壮大だ。早朝運転のケーブルカーなどを利用すれば、たやすく拝めるので、元日も多くの登山者や行楽客を迎える。深田久弥も「日本百名山」に選んだ理由に、低山だが古くから信仰を集め、親しまれたことを挙げている。正月は雪がないことが多く、山慣れた人なら夜、麓から登るのもよい。観賞スポットは女体山山頂、御幸ヶ原周辺、男体山直下など複数あるが、それぞれ狭く、混み合う場所もあるので、早めに着き、場所の確保を。（文・写真＝石丸哲也）

MAP＆DATA

ヤマタイムで周辺の地図を見る

初日の出	6時44分ごろ
初詣	筑波山神社筑波山そのものを御神体としてあがめ、男体山と女体山それぞれにイザナギ、イザナミを祭る。

参考コースタイム

2時間30分

アクセス

【行き】つくばエクスプレスつくば駅／つくばセンター（筑波山シャトルバス35分、720円）筑波山神社入口（徒歩15分）宮脇駅（筑波山ケーブルカー8分、580円）山頂駅
【帰り】筑波山神社入口（筑波山シャトルバス35分、720円）つくばセンター／つくば駅
※マイカー利用は、筑波山神社入口バス停近くの市営駐車場に停める。500円。

年末年始情報

元日のみ、筑波山ケーブルカーが4時30分から、筑波山ロープウェイが5時から運行。ただし、つくばエクスプレス、筑波山シャトルバスの早朝運行はないので、初日の出を見るには前泊するかマイカー利用となる。

この記事に登場する山

東京都 /

御岳山標高 929m

ケーブルカー（御岳登山鉄道）の利用で、簡単に登れることから、首都圏のハイカーに人気の山。山頂には、武蔵御嶽神社があり、元旦には、初日の出客と参拝客とで特に賑わう。また、4月にはヤマザクラやカタクリ、6月はアジサイ、8月はレンゲショウマの花が咲き、賑わいを見せる。ケーブルカー御岳山駅から神社へ続く参道には天然記念物の「神代ケヤキ」がある。

福島県宮城県 / 阿武隈山地

鹿狼山標高 430m

福島県と宮城県との県境にある山で、太平洋とも近い位置にあるため、海の眺めが美しい山。かつてこの山には、昔、手長首長という大男が住んでいたという伝説がある。伝説によると、大男は毎日、鹿狼山に腰を下ろしては海から貝をとって食べていた。その貝殻が積もり積もって出来たのが、新地付近の貝塚だという。山頂から望む太平洋の大海原は大きな魅力で、登山口には温泉もあり小さな山ながら充実した山行が楽しめる。東北にあって温暖な地であり冬でも積雪の心配は少なく、しかもよく道が整備されているので、四季を通じて訪れる人も多く、初心者や家族連れにも絶好の山である。県境に沿って縦走路や枝道が整備されたので、ミニ縦走も楽しめる。

百名山

茨城県 / 八溝山・筑波山

筑波山標高 877m

　昔は富士山と並び称される東国の名山だった。万葉集に筑波山を詠んだ長歌・短歌が25首もあるのがそれを物語っている。　今は誰でも登れる行楽の山。南面の筑波山神社の脇から出るケーブルカーと、東面のつつじガ丘からのロープウェイが、山頂近くまで昇っている。登山道も四方から標高800mの御幸（みゆき）ガ原（はら）を目指しており、その中の3コースが首都圏自然歩道に認定されている。山麓の北条から筑波山神社に至るつくば道（神郡（かんごおり）街道）は「日本の道100選」に入っている。　山頂部は御幸ガ原を挟んで男体山（870m）と女体山（876m）の双耳峰になっており、イザナギノミコトとイザナミノミコトを祭る筑波山神社の奥宮を置いている。男体山を一周する自然研究路では、筑波山で発見された貴重な植物や、ツクバの名を冠した珍しい草花を見つけることができる。