お正月に登りたい山コースガイド　東日本編

新しい一年のはじめに登りたいコースを紹介！　初日の出や初詣など、お正月ならではの情報も掲載。都心からのアクセスのよい御岳山をはじめ、東日本の5コースを紹介します。

信仰の歴史を感じる大山（おおやま）

神奈川県／1252m
大山ケーブル～阿夫利神社駅～阿夫利神社下社～大山～見晴台～阿夫利神社下社～大山寺～大山ケーブル

丹沢山地の東端に整ったピラミッド形の姿でそびえ、目を引く。相模湾に面して雨雲がかかりやすく、古くから雨乞いの対象として、山中に阿夫利（あふり）神社が鎮座する。江戸時代には講中登山が盛んで、落語「大山詣り」の題材にもなったほど。初詣登山にもうってつけだ。元日はケーブルカーが未明から運行され、手軽に山上で初日の出を拝められる。

山頂で迎える初日は房総半島から昇り、赤く染まる富士山、朝日に輝く相模湾に浮かぶ江ノ島なども眺められる。初日の出は阿夫利神社下社でも眺められる。富士山は山頂よりトイレ西側の展望地のほうがよく見える。阿夫利神社では1月7日、竹筒に粥をすくって農作物の豊凶を占う筒粥祭も執り行なわれる。（文・写真＝石丸哲也）

MAP＆DATA

ヤマタイムで周辺の地図を見る

初日の出	6時50分ごろ
初詣	大山阿夫利神社雨乞いをはじめ、海上交通の安全や豊漁の信仰があつく「大山詣り」として知られる講中登山も盛ん。
イベント	阿夫利神社下社で元日0時～0時50分ごろ歳旦祭が行なわれた後、一般客の初詣を受け付ける。5～6時ごろ、地元氏子による元旦奉幣祭。終了後、餅つきがあり、初日の出とともに餅、御神酒が振る舞われる。大山寺では0時40分から元朝大護摩法要が開かれる。

参考コースタイム

3時間55分

アクセス

【行き】小田急線伊勢原駅（神奈川中央交通バス25分、370円）大山ケーブル（徒歩15分）大山ケーブル駅（大山ケーブルカー6分、640円）阿夫利神社駅
【帰り】大山ケーブル（神奈川中央交通バス25分、370円）伊勢原駅
※マイカー利用は、大山ケーブル手前に複数ある駐車場に止められる。500円～。駐車場が非常に混むので、余裕をもって出かけたい。

年末年始情報

元日のケーブルカーは始発5時。バス始発（5時25分）利用の場合は、下社で初日の出が現実的。

この記事に登場する山

東京都 /

御岳山標高 929m

ケーブルカー（御岳登山鉄道）の利用で、簡単に登れることから、首都圏のハイカーに人気の山。山頂には、武蔵御嶽神社があり、元旦には、初日の出客と参拝客とで特に賑わう。また、4月にはヤマザクラやカタクリ、6月はアジサイ、8月はレンゲショウマの花が咲き、賑わいを見せる。ケーブルカー御岳山駅から神社へ続く参道には天然記念物の「神代ケヤキ」がある。

福島県宮城県 / 阿武隈山地

福島県と宮城県との県境にある山で、太平洋とも近い位置にあるため、海の眺めが美しい山。かつてこの山には、昔、手長首長という大男が住んでいたという伝説がある。伝説によると、大男は毎日、鹿狼山に腰を下ろしては海から貝をとって食べていた。その貝殻が積もり積もって出来たのが、新地付近の貝塚だという。山頂から望む太平洋の大海原は大きな魅力で、登山口には温泉もあり小さな山ながら充実した山行が楽しめる。東北にあって温暖な地であり冬でも積雪の心配は少なく、しかもよく道が整備されているので、四季を通じて訪れる人も多く、初心者や家族連れにも絶好の山である。県境に沿って縦走路や枝道が整備されたので、ミニ縦走も楽しめる。

百名山

茨城県 / 八溝山・筑波山

筑波山標高 877m

　昔は富士山と並び称される東国の名山だった。万葉集に筑波山を詠んだ長歌・短歌が25首もあるのがそれを物語っている。　今は誰でも登れる行楽の山。南面の筑波山神社の脇から出るケーブルカーと、東面のつつじガ丘からのロープウェイが、山頂近くまで昇っている。登山道も四方から標高800mの御幸（みゆき）ガ原（はら）を目指しており、その中の3コースが首都圏自然歩道に認定されている。山麓の北条から筑波山神社に至るつくば道（神郡（かんごおり）街道）は「日本の道100選」に入っている。　山頂部は御幸ガ原を挟んで男体山（870m）と女体山（876m）の双耳峰になっており、イザナギノミコトとイザナミノミコトを祭る筑波山神社の奥宮を置いている。男体山を一周する自然研究路では、筑波山で発見された貴重な植物や、ツクバの名を冠した珍しい草花を見つけることができる。